Nuclear_free
3.11の津波を超えて目指す社会

Nuclear_free
3.11の津波を超えて目指す社会

多くの犠牲と、破壊がもたらした結果としての「道しるべ」を見逃す事なく、明日の社会に結実させる事が、我々に必要な事だと考えるのは、私一人ではないでしょう。多くの被災者はまだ劣悪な環境の中にいます。一刻も早く被災者を救うべき一つの行動「被災者のための仮設住宅」ですら、どこかビジネスの種となって被災者オリエンテッドには進まないこの日本の有様は、多くの人を落胆させました。今進むべき道を間違ったら日本は終わりです。この災害が語りかける「サイン」を見逃さずに、日本の進むべき道を、一人一人が「自分に出来る事に誇りを持って」進めば、もう一度「世界のリーダー」に戻って行ける大きなベクトルとパワーを生み出す事になります。

目指すものは何か?

震災・津波災害・原発事故被害の3つの打撃は大きなものでした。比較的大きな地震にも関わらず、「地震そのものの被害」は震動周期が比較的建物倒壊に繋がりにくいものであったために巨大地震にも関わらず比較的被害は少なくて済みましたが、1000年に一度といわれる「津波」は人知の記憶を遥かに凌駕するものだったために激甚なる犠牲や被害を生みました。人災ともいえる原発事故に関しては終わりの見えない不安が社会を覆い尽くしています。立ち尽くしてしまうほどの今後の課題に向かって勇気を出して進まねばなりません。日頃役にも立っていないと思っていた行政が、率先して動かねば何も進まない状況となっています。あらためて「行政」の役割の大きさを知った訳ですが、その陣容に不安感があるのは、日頃はそこまでの要求が突きつけられる事のない想定外の大きな災害だった事にもよるでしょう。しかし、明日に向かって進まねばなりません。


凄惨な被災地(撮影:筆者 石巻市)

今後の最も大きな課題は複数山積みですが、その中で
1.三陸地域の未来を見据えた都市計画のありかた、復興のプロセス
2.原子力エネルギーの考え方とエネルギーの総合的課題と私たちのライフスタイルのありかた
3.地域が地域特性の中で生きて行くアイデンティティーを持つ事が出来る復興開発
など、難しすぎる課題に取り囲まれています。

建築家の一人として、私どもが考える社会への参加の方法は、自分が持つ知識と知恵を拡大しながら使う事しかありません。私どもの会社立ち上げ以来のテーマは建築のサスティナビリティー、脱炭素、を増強するための建築システムの開発とその運用方法です。モジュラーユニットによる建築の開発と、それに取り合わせるべきシステムとのマッチングで一つの方向が見え始めた矢先の災害でもあったため、迅速なる設置に役立つ「仮設住居」と、決して捨てる事もなく「ずっと支えるもっと役立つ建築構造体」を提供する事によって、被災地の保護とその後の復興プロセスにまで参加出来るシステムで応援が出来ている事や、真摯に復興支援をお考えのアメリカの非営利団体などと組んで、生活支援施設の提供にチカラを発揮出来る事は幸運だと思っています。


強靭で震度7強にも耐えうる「勇気」を育むコンテナ型(ISOコンテナではなくオリジナルラーメン構造)施設(志津川の漁業施設)

一方で、世の中がもの凄い勢いで「パラダイムシフト」が始まる事を、私どもはすぐに予感していました。原発事故を発端とする「エネルギー概念の変化」です。むしろ変化せざるを得ない状況でもありますから、そのシフトは間違いなく大きな力となって働くでしょう。求められるのは「脱原子力」「超省エネ生活」「産業可動時間の変化」結果的に「ライフスタイルの余儀ない変革」です。この事は「原子力エネルギー」が登場せざるを得なかった社会の成長プロセスを否定するものですが、時間が経過し、再生可能エネルギーの利用技術が進んだために、必要とされながら、まだ大丈夫原子力があるし効率的といって、足踏みをしていた技術の世界が一気に加速し、世界を変えるほどの変化が可能な状況を、引き起こそうとしています。エネルギー改革です。これは代替エネルギーのような「新エネルギー登場」によって改革されるのではなく「意識の変化によってもたらされるエネルギー改革」といえるでしょう。

さて私どもは向かって行く方向を感じています。既に研究は進めていましたが、今は確信を持って進める事が出来ます。
1.サスティナブル建築の更なるシステムアップ
2.エコロジー住宅へ向かう道筋
結論から言えば

コンパクトで強靭で、超省エネ概念の、再生可能エネルギーからのエネルギーで概ね済ませる事が出来るサスティナブル建築の完成を目指す事です。それは最終の着地点ではDC24Vの世界で稼働する住居となるでしょう。

コンテナサイズから始まった当社のモジュラーハウジングシステムは、「コンテナで家が建てられますか?」「暑くないですか?」などという初期の場所からはもう全然遠い世界までやって来ました。
しかし私どもの法人のコンセプトは「生活にアートを」は変わりません。アートが人に与える癒しや、エネルギー、奮い立つ心、総合的なパワーを生む源は「人と人との間にある文化的チカラ」であることは変わらないと考えています。今度は、「DC24V_microgrid_XX_project」の始まりです。
再生可能エネルギーを主体とし、蓄電出来るシステムを持つ事によって、原発グリッドに頼る事なく生きて行ける現代的エコロジカルな快適住居計画をスタートしました。多くの住居がそのような状態になれば「原発」は必要のないものとして、本当に安全に利用出来る技術が確立されてから使う世界として考えればいいのでしょう。

最新モデルがこれです。
詳細は研究を進めるたびに報告いたしましょう。
僕たちは「太陽と生きる道」を選ぶ。

株式会社シルエット・スパイス 代表取締役 大屋和彦 2012年3月31日加筆

4人家族を想定した約90平米強の3LDK住宅。深夜電力のみグリッド電力と繋がる。
太陽光発電によるLED照明への直流24Vの供給と過渡的に100Vのコンセントをインバータを通して供給。蓄電システムで契約電力も最小。オフグリッド時も、太陽光発電のみでそれなりの生活は可能。あとはコストとのバランス感覚。

ホテルタイプモデルで実証モデルを実施設計中(2012/03/31)
archimetal.jp